夢の中の住人

2002年8月10日
 それは数ヶ月前。
 あるネット友達と知り合う。
 
 彼の文字は温かくて繊細。
 文字のやりとりだけで近くにいるような
 錯覚を起こしてしまう。
 顔も知らないのに惹かれている。
 彼は私に言った。
 
 僕らは夢の中の住人なんだよ。だから
 会わなくても好きでいられる。
 夢から覚めたときにゆっくり会えばいい。
  
 
 
 母に聞こえるように音をたてながら
 荷造りを始めた。
 往生際が悪い私。
 その時メールが届く。
 
 「君に会いたい。」
 送ってきたのはMさん。
 Mさんは今年2月に知り合った人。
 その時から恋焦がれてた人。
 すごく体が熱くなった。

 「私も。」
 返信して、彼の元へ走っていこう
 彼の短いメールが私の背中を押した。
 
  

愛されたくて

2002年8月7日
 20年間、母は辛かったろう。
 後継ぎを産んだつもりが私は女。
 家庭を大切にしない父と別れることも
 世間体を理由に同意してもらえず。
 ただ、私が20歳になったらと契約を交わし
 ただ過ぎていくだけの人生を耐えてきたのだ。
  
 「産まなきゃ ヨカッタ」
 何度も聞いた懐かしい母の言葉。
 誰を?と聞くことが怖かった。
 聞かないよう笑うしかなかった。
 いつも味方でいる事が安らぎだったから。
 
 愛してください、愛してください・・・
 出ない声を振り絞って布団の中で
 叫んでた。
 私は出口が開いたままの鳥かごで
 いつまでも逃げることが出来ない小鳥。
 
 もし飛び立ったら私を見てくれますか?
 あの日私は決心した。
 「逃げよう、逃げてみよう」

 
 

理由

2002年8月6日
 私は今 シドニーにいる。
 本当なら日本で大学生として夏休みを
 迎えていたはず。
 
 今年の5月5日、恵20歳の誕生日。
 両親の離婚を知る。
 同日、オーストラリアに永住している
 叔父夫婦の養女となる事を知る。
 
 「あなたが20歳になるまで我慢してたのよ」

 母は無表情で私に言った。
 そして私はまた何も言わず頷いた。
 
 

kiss curl

2002年8月4日
キスカール。
額に軽くかかる髪のカール。

知らなくてもいい事を知ってしまう。
見なくてもいいものを見てしまう。
詳しくは聞きたくない。
教えて欲しくもない。

幸せなときは近いのに
今はこんなに遠い。
あなたは今何を見ていますか?
 

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